HOME > 鍼家坊岩先生と東子ちゃん

香川支部って、どんなとこ?

.東子:
「せんせ、香川支部って、ぶっちゃけどんなとこですか?」
.鍼家:
「ぶっちゃけもなにも、設立許可は取ったけど、まだ発足してないので、どうもこうもないのだけど、東洋はりというものが鍼専門家を育成する機関だよね」
.東子:
「ということは、学校では不可能とか、自殺行為とまで言われている鍼灸専門で開業して経営存続していける。そのやり方を教えていただけると?」
.鍼家:
「そういうことになるね」
.東子:
「本当なんですか?ぶっちゃけどうなんですか。本当に本当なんですか?」
.鍼家:
「君もしつこいね。東洋はりは鍼灸専門で開業している先生が非常に多いのは事実だよ。実際そうしている人がいるのだから、そのやり方を聞いて、その通りに、まずはやってみるのが効率的というものだ」
.東子:
「なるほど。よく分りました。では次に具体的な勉強会の様子を教えてください」
.鍼家:
「勉強会は毎月第二日曜日に香川県の宇多津町で行われる。九時から三時までだ。午前に講義をみっちり行い、午後からは実技になる。実技が、みなさん御存じ手から手への集団指導方法、小里方式という少人数に指導者が一名つく形式で行われ、講義にリンクした標治法までする」
.東子:
「一日みっちりですね」
.鍼家:
「それだけではない。本部の講義データ販売、過去の経絡治療家の肉声をデータ化しているので、その中から選りすぐりを販売するし、鍼灸関連の図書の割引販売、岡山講習会ともリンクし、特別講座開催。もちろん、本部発行の書籍も購入できる。勉強したい人には夢のような環境を提供する予定だ」
.東子:
「なるほど、では私のように楽して儲けたいというような現代っ子には、どのような特典があるのでしょうか?」
.鍼家:
「そんなん、あるか。帰れ!この猿め!!」

*注釈:腹の減らない猿は芸を覚えない。故福島弘道の言葉。必至に努力しなければ技術は身に付かないことの例え。鍼灸専門で開業するんだという強い意志が必要。

会費について

.東子:
「せんせ、会費の見方がよく分りません。私は一体、おいくら払えばよかでしょうか?」
.鍼家:
「君は学生だから、しかも関西支部からの移籍になるから、入会金不要で、もし3月までに一括前納してくれるのであれば、23,000円になる。これが3回分割なら、合計は33,000円払わなくてはならない。だんぜん、前納が有利だ」
.東子:
「なるほど、とっとと入金してくれた方が会計部も都合いいですもんね」
.鍼家:
「いや、まぁ、確かにそういう側面もある。が、これはやはり香川支部の設立理念の反映と見なしてほしい。つまり、1人でも多くの経絡治療家の育成ってことだ。そのために、安く、それでいて上質な勉強ができる場の提供。そのために、不要なものを限界まで削り総務部が徹夜で予算案をだしてくれた結果、この金額にまで安くできた」
.東子:
「確かに、ネットでざっと検索してみると、非常識なレベルで安いですね。大丈夫なんですか?本当に。だって、年11回で23,000円ってことは一回2,090円ですよ?九時から三時で、お昼休み一時間として五時間近く勉強を教えてくれるわけですよね?総務部長の一日の日当は454円らしいじゃないですか。日給454円て。趣味なんですか?暇なんですか?」
.鍼家:
「…………」
.東子:
「ちょっとー!黙んないでくださいよ、せんせ!!」

録音データのwmaについて

.治子:
「お姉ちゃん、録音データがwmaって書いてあるけど、mp3じゃなくてこれでいいの?」
.東子:
「それでいいのよ。mp3じゃ、コーデックとかランタイムとかOSで再生できないことがあんのよ」
.治子:
「でも、wmaって、ウィンドウズOS対応でしょ?スマホとかiPadとかPSPじゃ対応してないよね?」
.東子:
「PSPでも設定すればwma再生できるわよ。それにスマホやウィンドウズパソコン以外でも聞きたいってヘビーユーザーは自分で変換処理して転送するわよ。ほっときゃいいのよ」
.治子:
「そうなんだ。厳しいんだ」
.東子:
「wmaなら、ほぼ間違いなくウィンドウズパソコンなら再生されるはずだからね」
.治子:
「わかたよ。で、このCDってのは?」
.東子:
「どうしてもCDで欲しいって人のために、一応設けたの。基本はUSBでデータを持って帰るってことになるでしょうね。ついでついでにwavにもサービスで対応することにしたの。これなら車や自宅のCDデッキでも再生ができる」
.治子:
「それは便利だけど。すっごく高くない?USBの四倍?暴利を貪ってるよね。ああそうか、安くした会費の分をここで取り戻すって寸法ね?さすが、おねぃちゃん」
.東子:
「違うわよ。人聞きが悪い。CDデッキなんかで聞きたい人は自分で変換してCD作成して聞けってことよ。鍼灸開業を目指すんなら経費削減は常に考えておかなければならない。つまり何が言いたいかと言うと、パソコンスキルを磨かなくてはならないってこと。そのための練習も兼ねて、USBで購入して自分でwavに変換して、自分でCDに焼いて、車で聞けよということ。もっとも会計としてはWAVのCDで購入してくれた方が儲かるって、会計部長は言ってたけど」
.治子:
「やっぱりパソコンやんなきゃダメか〜〜」
.東子:
「最少金額での開業を目指すんなら必須よね」
配布データはmp3になりました。
たまにwavのこともあります。

治験発表について

注釈:学生以外の研修部は一年に一度、治験発表をする義務があります。発表時間は12分です。詳しくは治験発表マニュアルをご覧ください。
 
.東子:
「遅ればせながら、はじめまして。鍼家先生の姪っ子の東子です。鍼灸学生2年、香川支部では普通部ですね。分からないことだらけですが、みなさんと一緒に勉強していきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします」
.鍼家:
「香川支部指導部の鍼家と申します。趣味は落語です」
.東子:
「さっそくですが先生、治験発表はどうしてやんなくちゃならないんですか?ええと、私はまだ学生だから来年研修部になっても、まだしなくていいんですよね?あくまで、発表は免許取得後とは言え、やがてしなくちゃいけないと思うと、気が気でなくて」
.鍼家:
「そうだね。免許がなければ治療行為できないからね。君は、卒業した年に発表することになるからね」
.東子:
「胃が痛とうごさいまする」
.鍼家:
「何、実際の臨床に比べれば楽なものよ、ふふふ」
.東子:
「先生、なんか、纏ってる衛気が黒いですよ」
.鍼家:
「おっと、そうかね?それはそうと、なぜ治験発表するか?だったね。それは、原稿を作成することで、今自分がしている治療が明確になるんだよ。
原稿を作成開始してみれば、分かるが存外何となくで、虚を決め実を決め脉診してしまっていたことに気が付く。言葉にしようとすると、想像以上に注意して診ないとできないものなんだよ」
.東子:
「へぇ、そんなもんですか。なるほど。ますます、プレッシャーを感じますね」
.鍼家:
「だが、これを乗り越えることができれば、ぐっと上達するんだよ。それに、これは単に治療報告だけを求めているんじゃない。実際に臨床に出た時、患者さんを目の前にして分かりやすく、丁寧な説明をしなくちゃならないが、その訓練も兼ねているんだよ。だから、治験発表の上手な先生は、臨床話法も上手なもんだ」
.東子:
「そうですか。そうですね、一言も喋らず治療するなんてできないですもんね」
.鍼家:
「してもいいけど、そんなんじゃ、次から患者さん来ないよ」
.東子:
「あう」

みんな大好き国民年金

.東子:
「先生、鍼灸師と言えば国民年金ですが、そのあたりについてはどうなんでしょうか?」
.鍼家:
「学術部の私に聞くべき質問かどうかは、置いておいて、君も20歳になれば入るがよかろうよ」
.東子:
「でも、私が60歳になって受給権が発生しても、貰えないんじゃないんですか?」
.鍼家:
「君は間違っているよ。60までというのは、支払う期間のことであって、貰えるのは65からだ」
.東子:
「なお、よくありません」
.鍼家:
「分かった、では君には繰り上げ支給をしてあげよう」
.東子:
「繰り上げ支給って何ですか?」
.鍼家:
「本来、満額受給できるのは65からだが、60歳に繰り上げて支給してもらうこともできるのだよ」
.東子:
「そんなことができるんですか?しかし、それならみんな60歳から貰いませんか?」
.鍼家:
「そうでもないよ、繰り上げ支給は減額支給だからね。60歳繰り上げ支給を選ぶと、30%の減額がもれなく付いてくる。そしてそれは一生続くからね」
.東子:
「そおですか。じゃあ、もしかして繰下げ支給とかって、増額支給はないんですか?」
.鍼家:
「当然あるよ、するかい?」
.東子:
「いや、するかいって、そんな権限が先生にあるんですか?」
.鍼家:
「あるわけなかろう、私は鍼灸師だよ。裁定請求はすべて自己申請制なのだよ」
.東子:
「裁定請求って何ですか?自己申請って何ですか?」
.鍼家:
「年金は、必要書類を揃えて、私にはコレコレこういう受給権が発生しましたので、支給してくださいって、自分で申請しないといけない。それを裁定請求というんだ」
.黒東子:
「なるほど、で増額支給はいかほどいただけるんですかいね?くくくっ」
.鍼家:
「ただで得することには積極的だね。君のように昭和16年4月2日以降生まれの場合、年間8.2%。5年で42%の増額になる。もし、昭和16年4月1日以前生まれならば5年で88%増額となる。しかも、繰り下げた場合、受給開始時には二つの選択肢付きで、@増額なしで、繰り下げた分をまとめて全額もらい、以後は正規額どおり受給。A増額した年金を受給。健康で仕事ができて生活に支障がない鍼灸師の場合、繰り下げ支給を選択するのは必須・・・と言えなくもなくないが、まぁよく考えることだね」
.東子:
「なるほど、いいことずくめの繰り下げ支給なんですね。ちなみに、手続きはどのように?」
.鍼家:
「支給繰下げ申出書がある。基礎年金番号、通称基番を書いて出せばいい。しかし、いいことずくめではない。繰り下げ申請し、年金受給前に死亡した場合、遺族に未支給年金として支給されるが、増額支給を一カ月でも受給して死亡した場合、以上ですべて終了となる。何例か担当したことあるが、すべからくご遺族は年金法に対してぶちきれたよ。また、障害年金や遺族年金を受給している場合は、繰り下げ申請できないことがある。何にでもメリットデメリットがあるということだね」
.東子:
「さっき、途中で必須と言えなくもない、と言いよどんでましたがどうしてですか?」
.鍼家:
「支給を一カ月でも受給して死亡した場合、以上ですべて終了と言ったろ?つまり、どうするのが得か、は寿命が分らない以上不明 なんだ。こんなに早く死ぬなら、60歳から受給してた方が得だった・・・ということも多々ある。結局自分の人生に対する自分の方針はどうだ?ということが問われるのが国民年金なのだよ」
.東子:
「国民年金て、そんな哲学的だったんですね。知りませんでした」
.鍼家:
「強固な意思決定が必要だから、国民年金受給年齢前には鍼灸院に行って、肝胆を強化しておかないと、どうしていいか分からず窓口の人の言うまま手続きすることになる。個人個人、みな違うのだから自分に合った幸せな老後を送るためには、年金の受給スタイルも鍼灸治療同様オーダーメイドであるべきなのだよ」
.東子:
「なるほど、国民年金と鍼灸を絡める人なんて、初めてみました。ありがとうございました」

治療代は金1グラム

.東子:
「せんせ、物価スライド凍結って何ですか?」
.鍼家:
「受け取る年金は、物価スライドするんだ。健全な経済成長下において、物価は漸次上昇する。つまり、少しづつ物の値段が上がるってことだ。これはこれで、健全なんだね。だから、受け取る年金も健全な経済成長下において、増額するんだ。だが、昨今のマイナス成長下においては、物価スライドもマイナスとなる。だから、年金も減額されるのが法律どおりだったが、適応させないために、一時的に凍結させたんだ。これにより、当時満額は年額で804,200円だったが、減額せずそのまま受給できることとなった。政府のおかげだね」
.東子:
「政治家さんも、いい仕事しましたね。でも、今って804,200円じゃないですよね?」
.鍼家:
「よく知っているね。今は792,100円だよね。月額で66,008円になる。凍結は一時措置で結局、スライドしちゃったね」
.東子:
「なるほど、それは分りましたが、物価スライドとやらが鍼灸とどう絡むんですか?」
.鍼家:
「つまり、治療代は目減りするってことだ。つまり例えば、100万円を10年箪笥に保管しておくとする。10年後、その100万円は100万円の値打ちがあるか?ってことなんだよ」
.東子:
「何言ってるんですか?100万円は10年経っても100万円でしょう?」
.鍼家:
「物価はスライドするって言ったろ?もし、1個1万円のチロルチョコがあったとして、それは100個買えるよね。ところが、10年後チロルチョコが1個2万円になっていたとすると、50個しか買えなくなる。同じ100万円でも価値は半分になってしまっている」
.東子:
「なんですと!?」
.鍼家:
「まぁ、そこまではないけれど、昔100円で買えたジュースも今じゃ120円になっているよね。つまり、治療代を値上げしない方針の治療院であれば、年々治療代は目減りしているってことだね」
.東子:
「なるほど!では、これからは治療代一回は金1グラムとかってすればいいんですね!」
.鍼家:
「そりゃまぁ、金は目減りしないけどね。患者さんは、面倒くさいだろうなぁ・・・」

老後はバラ色

.東子:
「せんせ、国民年金は基本的には60歳まで掛けて、65歳から支給開始ということですが、一般的な会社員さんは60歳定年ですよね。65歳までの5年間は、お給料もないし年金もないんですか?」
.鍼家:
「いいところに目を付けたね。ただ、一般的な会社員さんの場合は厚生年金法管轄になるね。厚生年金は国民年金プラスαからなっている。そもそも普通に支給される国民年金は基礎年金と言うんだね。厚生年金なら老齢厚生年金というが、会社員さんの場合、老齢基礎年金に該当する定額部分と報酬比例部分の両方を受給するようになるわけだ」
.東子:
「なんと!二重取りですか!?」
.鍼家:
「二重で払ってるんだ!別に依怙贔屓されてるわけじゃないぞ。で、まぁ老齢厚生年金の報酬比例部分は60歳から支給されるから、会社員さんはある程度貰えるってわけだ」
.東子:
「いやいや、せんせ、騙そうったってそうはいきませんよ。厚生年金は全額60歳から貰えるって、お隣のおじいちゃんが言ってましたよ」
.鍼家:
「まぁ、昔はそうだったんだよ。国民年金に該当する定額部分というのも60歳から支給されていたが、これが段階的に一年ずつ繰り上がって行って、晴れて今年から60歳を迎える男性は定額部分は65歳からになった」
.東子:
「なんとなんと・・・、ま、でもよく考えたら私たちには関係ない話ですね。私なんか、きっとその頃は高額納税者ですよ、うひひ」
.鍼家:
「それは、知らないが、確かに鍼灸師に定年はないからね。この報酬比例部分もやがて、65歳支給になるから60歳から65歳の間をどうするか?これは会社員さんたちにとって、まさに死活問題となりうる」
.東子:
「魔の5年間ですね」
.鍼家:
「だから、そのあたりも含めて今現在、高校生や大学生の子は就職するか鍼灸師になるか、よく考えるべきなんだ」
.東子:
「二択なんだ・・・(汗)」
.鍼家:
「鍼灸師になって、香川支部に入って努力すればバラ色の老後が待っている!」
.東子:
「やたー」

治験のために治療してみました

.東子:
「せんせ、来たるべき発表の日に備え、同級生を治療してみました!」
.鍼家:
「よくやった、それで?」
.東子:
「それで?」
.鍼家:
「いやだから、それで、その子はどうなった?」
.東子:
「いや、それでも何も、何にも変化なしです。それはもう、びっくりするぐらい。せんせ、接触鍼なんて効かないんじゃないですか?」
.鍼家:
「おいおい、どれだけ多くの敵を作る気だね?」
.東子:
「だって、症状は取れないし、さりとて悪化もしないし、脈もよく分かりませんでしたよ」
.鍼家:
「何回治療したのかね?」
.東子:
「何回?一回です。主訴は軽い肩こりです」
.鍼家:
「君は一回で完治しないと、効くと見なしてくれない現代っ子というわけか?」
.東子:
「何か、そう言われると私が事の分からない、ただ若いだけの子みたいじゃないですか」
.鍼家:
「何回治療したって?」
.東子:
「・・・・・・いっかいです」
.鍼家:
「で、治らなかったから効かない、と?」
.東子:
「「わたしのぎじゅつがみじゅくだったためこうかをだせませんでした!どこがわるかったのでしょうか!!」」
.鍼家:
「うむ、初めからそう言えばよいのだよ」
.東子:
「くっ」
.鍼家:
「さて、治療後その子の耳は熱くなっていなかったかい?」
.東子:
「耳ですか?両方とも冷たかったですよ。それが何か?」
.鍼家:
「ということは、逆気はさせなかったと思われる。ということは、それほど気を漏らしていなかったと予測できる。それで自覚症状がまったく変化ないのであれば、今の君にとって、回数が必要な患者さんであると言える。もしくは、自覚症状は陽経の邪が引き起こすことが多いから、陽経の邪の処理が甘かった可能性はあるだろう。そしてまた、陰経の補いが甘いと陽経に邪が出てきにくいから、陽経の処理が甘くなったとしたら、陰経の補い不足だと考えていい。しかし、本治の技術は一朝一夕にどうこうできるものではないので、その場合は標治法でカバーできる分はしなくちゃならない」
.東子:
「つまり、本治が未熟な間は標治で勝負ってことですか?」
.鍼家:
「そこまで言ってしまうと何だが、本治と標治は別々のものではなくて、本治で作り上げた脈を、よりよくするのが標治だしね」
.東子:
「では、私は何が足りなかったんですか?」
.鍼家:
「話法と言うか、まず患者さんに病態の説明はしたかい?例えば脈は今こういう脈で、それはお体がこうなっているのを示していて、あなたの肩こりの原因は、これこれこういう事柄から発生していますから、脈を変え、脈が変わることで身体内部が変わり、体質が改善されいくのです・・・とかさ」
.東子:
「してません。何も言わず、脾虚だったので太白に鍼しました」
.鍼家:
「まずは、東洋医学であろうとインフォームド・コンセント(説明と同意)は必要とは思わないかね?」
.東子:
「必要ですね」
.鍼家:
「インフォームド・コンセントに修練は必要だろうか?もちろん、経験はあるに越したことはないが、ある程度の文章をまとめて暗記なりカンニングペーパーを用意して、見ながらだったらすぐ出来るのではないだろうか?」
.東子:
「そうですね。分かりました。まず、カンペ用意・・・と」
.鍼家:
「それから、標治法については関西支部発行のメリディアン第8回学術座談会『経絡治療における標治法 前後篇』をまず、熟読すべきだね。同様に『問診について 前後篇』『患者対応について』は、必読と言える。もちろん、読んだのだろうね?」
.東子:
「うっ・・・・・・、そ、それは。あの、その」
.鍼家:
「では、次に宮脇先生の奇経灸は検討したかね?」
.東子:
「ふ、腹診で陽維脉とか任脉とかを取って、主穴に5壮、従穴に3壮すえるってやつですね。やろうとは思ったんですが、いざやろうとするとやり方がよく分からなくて中止せざるをえませんでした」
.鍼家:
「まず、奇経腹診は経絡腹診とは違って、少し押し込んでみるよね。いわゆる圧痛を探すような感じだ。そして、テスターのプラスを主穴に貼付する。奇経があっていて、ツボにも当たっていると腹部の硬結が緩むって寸法だ。詳しくは『よくわかる奇経治療』を見るといい。結構明確に緩むから、初学者でも分かりやすい。ただ、もちろんわかりにくい患者さんもいるし、ツボが大きく動いて出ているケースも多い。しかし、まず奇経は取っておいて損はないはずだ」
.東子:
「取って、それからどうするんですか?」
.鍼家:
「君は、一を聞いて十を知る気は、さらさらないようだね」
.東子:
「聞くは一時の恥と、ばっちゃが言ってました。そして、その血はせんせにも入っています」
.鍼家:
「そんなことは、どうでもよろしい。学術座談会第3回『腹診について』を読むように。経絡腹診と奇経腹診について、充分に記載されているから」
.東子:
「りょ、了解しました。それはそうと、せんせ。アクセスカウンターが毎日回っているのを見ると、更新してないことにそこはかとないプレッシャーを感じますね」
.鍼家:
「一応、ほぼ毎日は更新してるじゃないか」
.東子:
「html言語を数文字書き換えたところで、誰も気が付きませんて。今日なんて、アンカーリンクタグに「a name」て追記しただけじゃないですか」
.鍼家:
「仕事があるんだよ!それにアンカーを打ち込むのだって、手作業じゃ大変なんだよ!素人がパッと見て、すぐ分かるようじゃ、それは職人の仕事ではないんだ!鍼をしていると分かるような鍼ではいかん。灸をしていると分かるような灸ではいけんのだ!法隆寺の宮大工、西岡常一氏 に職人のなんたるかを聞いて来い!」
.東子:
「わ、分かりましたから、落ち着いて。せんせ」
.鍼家:
「で、何だったっけ」
.東子:
「取りあえず、一旦締めて仕切りなおしませんか?」
.鍼家:
「うむ、人生と言う冒険は続く」
.東子:
「この学術とあまり関係ない方向の連載は、打ち切りにならないか心配ですね」

なぜなにパソコン講座1 「ソースって何?」編

.治子:
「お姉ちゃん、ソースって何?」
.東子:
「ソース?ああ、広島に行った際には、カープタクシーで移動し、広島城を見学し、カープ弁当を食べ、広島カープを球場で応援し、カープソースでお好み焼を食べる、そんな一日中カープに包まれた夢のような、興味の無い方々にはどうでもいい一日を送るための必須アイテムがカープソースよ」
.治子:
「いや、そんなボケはいらないから」
.東子:
「じゃ、何よ?」
.治子:
「HPを作ろうと思うの。これからの時代は中国・インド・ソーシャルネットワークサービス(SNS)なのよ」
.東子:
「あんた、意味分かって言ってるんでしょうね?」
.治子:
「もちろんよ。つまり、社会的ネットワークをインターネット上で構築するサービスの事ね。友人・知人間のコミュニケーションを促進する手段や場、あるいは趣味や嗜好、居住地域、出身校、「友人の友人」といった自身と直接関係のない他人との繋がりを通じて新たな人間関係を構築する場を提供するサービスね。
 また、2004年頃より大手企業各社でも社内でのコミュニケーションの活性化や内定者囲い込み、SOX法対策等にも使われはじめていて、有名な事例としてはジョンソン・エンド・ジョンソン、NTT東日本の社内活用や、総務省の省内活用があげられるわね。
社内SNSには情報の地域間格差を解消するために導入している企業も多いのよね。
 熊本県八代市が運営するごろっとやっちろを皮切りに自治体や非営利団体・企業等が運営する地域SNSも各地で立ち上がっているしね。
 総務省の発表によると、2006年3月末現在の日本でのSNS利用者数は、716万人に達しているわ。これは前年度(2005年3月末)の111万人の約6.5倍の数字であり、急速に認知度が高まっていることが伺える。2009年1月のSNS会員数は、7134万人ね」
.東子:
「相変わらず、あんたは小賢しい女子高生ね」
.治子:
「細菌が世界を救う、これをテーマに情報発信をしていくことにしたの」
.東子:
「あ、そう。頑張んなさいね」
.治子:
「お姉ちゃん、パソコンは、得意でしょう?HPの作り方教えてよ。なんか、ソースってのが重要らしいけど、ソースって何?」
.東子:
「一瞬含まれた棘に、そこはかとない悪意を感じたけど、まいいでしょう。ソースってのは、出どころとか源って意味で、ホームページを開いて右クリックすると、ソースの表示という項目が出てくるから、クリックしてみんさいよ」
.治子:
「div id="title"> p>a href="index.html">鍼家坊岩と東子ちゃん/a>/p> /div> !-- shinobi ct2 --> script type="text/javascript" src="http://ct2.ushimairi.com/sc/1521156">/script> noscript>a href="http://ct2.ushimairi.com/gg/1521156" target="_blank"> img src="http://ct2.ushimairi.com/ll/1521156" border="0" alt="カウンター" />/a>br /> span id="NINCT1SPAN1521156" style="font-size:9px"
こんな文字が一杯出てきた。ナニコレ」
.東子:
「これが、ソースよ。ホームページというのは、このソースでできているの。だから、ホームページを書き換えるということは、このソースを書き換えるってことよ」
.治子:
「アルファベットみたいだけど、意味がさっぱりわかんない。英語でもないみたいだけど」
.東子:
「これは、HTML言語という言語よ」
.治子:
「これが、言葉なの?」
.東子:
「そうよ、ある一定のルールによって、記述されているわ。この文字をグラフィック化したものが、あんたたちが通常見ているHPになるの」
.治子:
「ふーん、じゃ作りたいページになるよう、HTML言語で書けばいいってことなのね」
.東子:
「そうそう、がんばってね」

なぜなにパソコン講座2 「書き方すらワカンナイ」編

.治子:
「お姉ちゃん・・・残念ながら、最初の一歩すら踏み出せないみたい・・・。どこに、どう書けばいいの!?」
.東子:
「ま、そう思うでしょうね。txtでいいんじゃないの?」
.治子:
「txtって何?」
.東子:
「あんた・・・、勉強はできるのにパソコンはテンでだめなのね」
.治子:
「才能がないんだと思う」
.東子:
「食わず嫌いなだけなんじゃないの?ともかく、拡張子が『.txt』ってなった文書見たことない?」
.治子:
「はい!せんせ!拡張子って何ですか?」
.東子:
「拡張子ってのは、ファイル名のうち、「.」(ピリオド)で区切られた一番右側の部分。例えば、ファイル名が「hariQ.txt」ならば「txt」が拡張子で、拡張子は、そのファイルの種類を示す3〜4文字の文字列のことよ」
.治子:
「はい!せんせ!ファイル名に拡張子がありません!」
.東子:
「あんたの、パソコンは登録されている拡張子を表示しないって設定になっているのよ。コントロールパネルかどっかで、フォルダオプションってとこで、登録されている拡張子を表示しないって、チェックボックスにチェックが入っているなずだから、それを外しなさい」
.治子:
「オッケイです」
.東子:
「では、次にtxtを開きましょう。左下にあるスタートをクリックして、すべてのプログラムの中のアクセサリを選択すると、ワードパッドとかテキストとか、それっぽいのを開くといいわ」
.治子:
「なんか、気のせいかやたら大雑把な説明になってない?」
.東子:
「OSごとに、多少違うからしょうがないのよ」
.治子:
「XPの場合だと、ワードパッドってのがあるね。開いたよ」
.東子:
「よくできました。じゃそこに、ガンガン書きなさい。以上」
.治子:
「ルールがワカンナイままなんだけど・・・?」
.東子:
「片っ端からHPを開いてソースを読むの。そして、よく出てくる文字を検索にかける。これを繰り返すのよ。技術に王道なし。鍼も一緒よ。そしたら、少しずつ解読できるようになるから。練習あるのみです」
.治子:
「ありがと、お姉ちゃん」

治験のために治療してみました。その2

.東子:
「では、せんせ。学術座談会も読破したので、次お願いします」
.鍼家:
「ということは、患者さんに説明もし、もちろんキチンと応対もできた、上で、診察診断もできたと仮定し、次にいこうか」
.東子:
「う・・・、その前に、ちょっと泣いていいですか・・・」
.鍼家:
「証も決定した。切経により使うツボも決定している。しかし、補技術に自信がない。最初は全員そうだ。そこで、まず奇経を試す。パターンと使うツボは頭に入っているはずだ。脉をみながらテスターを当てる。脉がよくなり、腹部の圧痛が軽減する場所があったら、そこだ」
.東子:
「なるほど」
.鍼家:
「実際には、中途半端に腹部圧痛が取れたり、脉に左右差ができたりすることがある。その場合は、修正すべき点があることを意味する。分かりやすい奇経治療を今一度読んでおくことだ。そして、キチンとツボを取り、マジックで印を付けておいてから本治法に入る」
.東子:
「あれ、奇経灸とかしないんですか?シルシだけなんですか?」
.鍼家:
「実地臨床というのには、様々な観点や側面、つまり一言で言うところの『やり方』というファクターが絡んでいるものなんだよ」
.東子:
「非常に、分かりにくい言い回しですね。つまり、どういうことです?」
.鍼家:
「つまり、本治がうまくいくと、奇経反応は消失する。腹部圧痛も消える。患者さんの症状も改善する。奇経灸をする必要さえなくなる。本当に成功した本治法とは、そういうものだ」
.東子:
「素晴らしいですね」
.鍼家:
「ところが、本治だけではそうならない場合、技術を習得し始めの方々の場合、往々にしてそういうことがあるだろう。そんな時、最初に取って、腹部圧痛が消失するのを確認しておいた奇経を、今こそ使うのだ。すると、当然ながら腹部圧痛が消失する。脉状が整う。そうなると、間違いなく症状も軽減する。鍼が効くことを患者さんも実感する。また、来院してくださる。そうしている間に、何度も本治法していると、これが確実にジワリジワリと効いてくる。するとさらに症状が改善する。と、こうなるわけだ」
.東子:
「なるほど」
.鍼家:
「本治法で患者さんの症状を改善できない時。
全身全霊をかけて本治法を行い、標治法も加えそれでも尚改善しない手ごわい症状と対峙した時。
燦然を輝きを放ちながら、窮地に追いやられた鍼灸師を救う魔法の杖、それが関西支部の奇経治療なのだよ。これは、本治法が未熟な術者のために宮脇先生が寝食を惜しんで開発した方法なのだよ」
.東子:
「う〜ん・・・・・・」
.鍼家:
「納得いかないかね?」
.東子:
「いやそうじゃなくてですね、鍼灸師サイドとしては納得いきました。技術が未熟な者にとって、大変ありがたいことです。本当に。
ところが、患者さんサイドとしてどうなの?って、思った部分があったもので。
つまりですね、プロなんだから本治法を十分にマスターしてから開業しろよ、とこう思ったわけです。たぶん、私は今のところ鍼灸師より、患者さんサイドに近いので、そう思うのでしょうけど」
.鍼家:
「なるほど。レストランで例えると、メインメニューのレベルを十分磨いて開店しろって、ことだね。メインが美味しくないからって、デザートで煙に巻くようなことするな、と言いたいんだね」
.東子:
「いやいや、そういう上から目線なわけでは、決してなくてですね。自分に向かって戒めているってゆーか」
.鍼家:
「うん、もちろん十分な技術をキチンと習得してから開業すべきだ。鍼灸師であれば国家資格を持っているわけだが、それは他人に鍼灸施術を行ってもよい、という国が認めた許可に過ぎない。病気を治せる治せないは、国家試験では問われないからね。開業するとなれば、充分な技術と人格を修得していて然るべきだろう」
.東子:
「そうですよね」
.鍼家:
「だが、それには問題点がいくつかある。まず第一は、充分な技術を習得するのに、じゃあ一体何年かかんねん?ってことだ。10年か?20年か?そして、何よりよく考えてほしいのは、今目の前に苦しんでいる患者さんがいるとする。ちょっと想像してみたまえ」
.東子:
「イメージですか?分かりました」
.鍼家:
「苦しいんです。なんとかしてください。と言っている。病院をアチコチ巡ったけど、一向によくならない。薬も効かない。原因も分からない」
.東子:
「困りましたね。では、早速名簿見て弓田支部長の鍼灸院を紹介しましょう」
.鍼家:
「とても、遠くて通えない。近くには支部員がいない」
.東子:
「分かりました。あと10年待ってください。充分な技術習得してまいりますので。それまで苦しんでいてください」
.鍼家:
「とは、言えないだろう?」
.東子:
「言えないですね」
.鍼家:
「鍼灸院には、そういったどこに行っても治らないという患者さんが、最後の砦として藁をも縋る思いでやってくるんだ。とても、充分な技術習得するまで、苦しみ続けてくださいなんて言えるわけがない。もちろん、不適応疾患や自分の力量を完全に超えている場合は、断ることも余所に回すことも必要だ。それも重要だ。だが、今患者さんの目の前にいる治療家は君一人だ。だとしたら、何としても、小指の先でも、ちょっとでも楽になってもらえるよう最大限の努力をしなくてはいけない。今現在、自分が持っている技術と知識を全部出すんだ。使えるものは、奇経だろうが何だろうが、全部使うんだ。もう一度言うよ。患者さんは、今、君の目の前で苦しんでいるんだ。誰かに代わってもらおうにも、誰もいない。君しかいない。救える可能性を持っているのは、君だけだ。鍼灸師は常にそういう覚悟を持っていなければいけない」
.東子:
「分かりました」
.鍼家:
「本治法を毎日、死ぬほど練習している。それは、当然のことだし、東洋はり医学会の会員は全員そうだ。その上での、初学者のための奇経治療なのだよ」
.東子:
「果てしない修行が続きそうですね」

なぜなにパソコン講座3 「docx」編

.治子:
「お姉ちゃん、docxって何?」
.東子:
「ああ、word2007で作成された文書に標準で用いられる拡張子よ。それがどしたのよ?」
.治子:
「友達からwordで作成した資料を送信してもらったんだけど、開けないの」
.東子:
「ありゃそうでしょうね、あんたのofficeは2003だもの」
.治子:
「どうすればいいのかな?」
.東子:
「2007にバージョンアップするか、Microsoftが無償で配布している「互換機能パック」を追加インストールすれば、Office 2000やOffice 2003のWordでも.docxファイルを表示、編集、保存することができるわよ。それか、その友達にdocで保存してもらって、再送信してもらうことね」
.治子:
「wordでも違うんだね」
.東子:
「そうね、Word 2007を含むオフィススイート「Office 2007」では、ファイルを保存する形式として、従来のようなバイナリ形式ではなく、OpenXML(OOXML)と呼ばれるXMLベースの形式が新たに採用されちゃったからね」
.治子:
「なるほど、ありがとう」